いよいよ4月が近づいてきました。
多くの新入行員が緊張し始めている頃ではないでしょうか。
自分もあったなあ、入行の時が。
自分はこれでも、新入行員代表として入校式挨拶をやってました。
今でも覚えてますよ。
入校式の数日前、人事部から電話がかかってきて「飯でも食いながら話を聞いてみないか?」
期待して行ってみたら「CoCo壱カレー」だったという。
さて、入行前の心構えとして、どんなことを対策しといたらいいんだろう?
という人も多いことでしょう。
もう残り数日しかありませんが、今からでもできる対策をご紹介しましょう。
先に言いますが、「新入社会人として生きていくための基礎」です。
個人的には「しなくてもいいんだけどなあ」と思ってることが多いですが、
組織に溶け込むにはやっておいた方が良いです。
きちんと一つづつ根拠も説明します。
相手の目を見る、ハキハキ大きい声で話す、おどおどしない
根拠は、
1 相手の目を見ない=自分の話を聞いていない、自分に苦手意識を持っているように見える
2 もごもご小さい声=自信がないように見えて、仕事の出来もいまいちに見えてしまう
3 おどおどする=顧客対応ができるか心配してしまい、能力を低く見られてしまう
全て、ちょっとしたことですが、先輩や上司に与える印象は最悪です。
3つに共通する点は「大丈夫か?この子は?」という気持ちになることです。
こうなると、何をしていても「大丈夫かなあ」という目線で見られることになり
それが積み重なってくると、
ちゃんと仕事をしたとしても、いまいち信用してもらえない、みたいなことになります。
例えば営業日誌に
「Aさん宅に訪問し、定期預金の満期を案内。使わないお金だから、ということで投資信託を案内し、成約に至った」
と書いたとします。
それを見た上司は
「使わないお金って本当?今まで定期してくれてたのに、突然運用に回してくれたの?本当?」
「投資信託案内って、ちゃんと説明できたの?受け付けた書類見せて」
こんな、あなたを信用してないかのような反応をされてしまうことがあります。
あなたの普段の挙動の積み重ねで、こういう「印象」を与えてしまうんです。
なかなか「挙動はそう簡単に変えられるものじゃない」と言う方もいると思います。
コツとしては「動作を少しゆっくりしてみる」ということをやってみてください。
おどおど、目がキョロキョロ、声が小さい人は、ひとつひとつの挙動がすごく早い人が多いです。
これは、自信がないことからくる性質です。
緊張する場から早く立ち去りたいがために、喋りや目線、挙動が早くなるんです。
「気を落ち着かせる」というのはメンタル面のことなのでなかなか難しいですが
動作についてははできるはずです。
ゆっくり動作してみましょう。「落ち着いている感じ」が出せるはずです。
新聞を2紙以上取る、経済誌を読む
根拠は
1 顧客の多くが新聞を読んでいるので、会話を合わせるため
2 経済、時事情報を仕入れ、勉強するため
3 異動、祝い事、弔辞の確認のため
4 上司に指摘されないようにするため
私たちの仕事は、ほとんどが顧客に対するものです。
顧客と面談すると、かなりの確率で、経済や出来事の話になります。
年配の方が多いので、テレビやネットよりも、新聞や雑誌、本からの引用の方が多いです。
そこで会話についていけるように、最低限当日の新聞には目を通しましょう。
特に当日の「地元」新聞の話題で話についていけなかったら
「今日の新聞読んでないの??」って絶対に言われます。
こうなると「残念な銀行員」イメージがべったり張り付きます。
情報誌は「日経○○」みたいな週刊、月刊紙。立ち読み程度でOK。
今、どういうことが話題になっているのかをさーっとみておくと引き出しが増えます。
そして、会社の役員の異動、出産の記事、死亡広告。
ここは、担当している顧客に起こった出来事かもしれないので、担当として必ず見ておきます。
「知らなかった」では恥ずかしいですし、顧客に失望されます。
そして何より上司から
「読んでないの????」と突っ込まれないようにすることが大事。
地元紙、日経新聞をとっておけばベター。
ニッキンを買えば最高です。
これだけで、「ちゃんとやってるじゃない」と思ってもらえる。安いもんです。
美容室に行って清潔にしてもらう
根拠:先輩、上司は「若者の身だしなみにケチをつけたがる」から
30代ともなれば、上司や支店長と二人で飲む、なんてことも多くなります。
この時の話題の多くは「うちの新入行員はどうよ?」です。
そして高確率でなる話題が「髪型・色、スーツの柄・色、靴の色・形、化粧」です。
特に髪型に関しては、最近流行っている「ツーブロック」なども嫌悪の対象です。
本人は、サイドを刈り上げて清潔にしているのでOKと思ってますが
上司には「新入行員のくせに小洒落た格好をするな」としか見えていません。
今時そんなめんどくせえ上司いるの?と思うかもしれませんが
めちゃめちゃいますし、これはある意味正しい理屈でもあるんです。
顧客は何千人、何万人といるわけですが、身だしなみに対する考え方も同じ数だけあるんです。
そのときに「オシャレな髪型」より「無難な髪型」の方が、悪い印象を与えにくい。
つまり、確率論なんです。
銀行の上司は「確率論」がめちゃめちゃ好きです。説得力があるから。
なので、悔しいですが、若いうちは髪型や格好は無難にすべきです。
自分では判断しにくいので、センスのいい彼女や彼氏、あるいは美容室でアドバイスしてもらった方がいいですね。
飲み会、休日セミナー、研修は断らない
根拠:新入行員に断る理由がない、と「思われているから」。
今、ちょっとした問題にもなっているやつですね。
飲み会や休日のセミナーは、時間外労働にすべきだ!って若手が声をあげてます。
これを断るべきでない理由は、
1 断ったら「あなたの印象が悪くなるだけ」だから
2 行けば「勉強になる」から
はっきり言って、「仕事が終わった後の時間」「土日」
用事ないですよね。あっても、多分断れますよね。
ほとんどの上司は、そう思ってます。
なので、参加を断るということは「嫌なので行きたくないんです」と面と向かって言うのと同じ。
上司は当然、機嫌が悪くなります。
経験上、断るくらいなら行った方が楽です。行けば印象は悪くないし、
行ったら行ったで、勉強にはなります。そこで知り合いを増やすこともできます。
断ることで得られるメリットを考えてみましょう。
確かに自分の時間は守れますが、「断った」という後ろめたさを抱えたまま
その時間を過ごさないと行けなくなります。
次の出勤の時、「セミナーに行かなかった日、何をしてた」とか聞かれる場合もあります。
セミナーに参加した同僚や後輩から「逃げた」というイメージを貼られるかもしれません。
マイナスな考え方ではありますが、こうならないためにも、参加した方がマシ。
そして、参加するなら「即答」してください。
即答することで逆に「好印象」を与えることができます。
「即答」が大事です。どうせなら腹を括っておきましょう。
事務・規定に詳しくなることを最優先する
根拠:事務・規定に強い人が最も信頼されるから
これは自分が最も後悔している部分だけに、新入行員にはぜひ知っておいて欲しい部分。
入行したら、特に男性は「渉外担当」になること「融資担当」になることに
強い憧れを抱きます。
なので、営業能力、獲得能力に長けている人を尊敬しがちですが
銀行員として最も求められる能力は「事務能力」です。
この能力が長けている人は、かならず支店に居場所ができます。
なぜなら手続きを進めて、完結するには
正しい伝票、正しい書き方、正しい処理が必要ですが
このすべての「正しい」を実行するには「正しい知識」が必要だからです。
正しい知識を持っている人のところに、みんな頼り、質問します。
その立場になれれば、あなたは勝ち組です。
このポジションにつくには、勉強が必要です。
勉強には時間が必要です。
つまり、時間が多い新入行員が最強、ということ。
営業能力は、営業時間中に身につきます。そして、誰でも鍛えることができます。
センス要素も確かにありますが、そこそこのレベルには、誰でも到達できます。
事務は学ばなければ身につきません。
そして、身につけるのが遅れるほど、「ミスが多い」「心配」な人と思われやすいです。
自分はどちらかというと「営業メイン、事務適当」タイプでしたので
この事務の重要性を今痛感してます。
悪いことは言いませんので、新入行員のうちに、事務に強くなりましょう。
電話、ATM案内、シュレッダーは自発的に
根拠:新入行員の仕事だと思っている人が圧倒的に多いから
これも後ろ向きな理由からです。
電話、ATM案内、シュレッダーは、新入行員がやって当たり前、と思っている人がめちゃ多いです。
なぜなら、スキルを必要としない上に、時間がかかる作業だから。
スキルのない、単価の安い行員がやるのが合理的ってわけです。
このイメージはどうにもなりませんので
セミナーと同じ発想。自発的にやることで逆に印象をよくする。
これに限ります。
ただし、絶対に手を抜かないこと。
電話をとったりとらなかったりする
ATM案内を率先しない
シュレッダーを忘れる、ゴミを散らかす
このようなことが散見されると「こんな簡単なこともできないのか、いい加減だ」と
逆に印象が悪くなります。
こうなると、その後いくら頑張っても効果はありません。
絶対に、手を抜かないように完璧にやり遂げましょう。1年間の辛抱です。
朝は始業の15分〜20分前には入る
根拠:時間を有効活用できる、新入行員らしさをアピールできる
シュレッダー同様、新入行員にできる仕事というのは、意外と色々あります。
と同時に、それはほとんどが「時間内」でなくても良い仕事ばかりです。
例えば
床掃除、お茶の準備、伝票補充、ノボリの設置、新聞回収、ゴミ出し、勉強。
少しだけ早く出勤することで、これらの仕事を、始業前に済ませることができます。
すると、自分の営業時間を長く使えますし
上司からの印象も良い。
「そんな仕事、仕事を終わってからやれ!」と言われることもない。
朝の15分なんてちょっとしたことです。これで印象が違うなら、やった方がましです。
机、カバン、ロッカーの整頓をする
根拠:整理整頓の状況を見て、人間性を判断する上司が多いから
実際にあった話ですが
夜遅くまで支店長と二人で残業していて
ふと支店長が席を立ち、新入行員の机に。
引き出しをガラッと開けて、ペンや伝票がばらばらになったのを見て一言。
「これじゃあ、仕事もできないわけだ・・・」
「そうか??」という疑問はありましたが
そう思う人がいることも事実。
実際、その新入行員は、伝票をなくしたりすることが多く、
支店全員に、引き出しが汚いことが知れ渡っていました。
仕事の効率が悪くなることは間違い無いです。
銀行の仕事は、大きく捉えるとルーティンです。同じことの繰り返し。
この繰り返し部分をいかに効率よくするか。
逆に言えば、繰り返し部分でいつも時間をかけていると、どんどん差が開くわけです。
つまり、整頓できていない人=仕事ができない。
こう思われても仕方ない。
絶対そうとは言えませんが、整頓はやっておいてください。
あなたが思っている以上に、印象悪いです。
期日ものは2日前に済ませる
根拠:期限ギリギリに出す=計画性がない、と思われてしまうから。
新入行員の期日もの、といえばレポート。または研修課題。
これらは「○日までに支店長に回覧し、人事部まで提出のこと」という締め切りが多い。
自分もそうだったんですが
なぜか提出が前日とか当日になってしまう。
夏休みの宿題と一緒です。面倒くさいから後回しにして、知らない間に機嫌が目の前、っていうパターン。
これ、期限に間に合えばOK、と思ってる人多いですが
提出期間が1ヶ月くらいあって、提出が締め切り前日や当日になるのは
「期限を守った」とは言いません。
「時間があるのに作業をせず、ぎりぎりまでほったらかした計画性のない社会人」
と主張しているのと同じです。
いつやっても作業量は同じです。
わかってるとは思いますが、与える印象は段違いです。
レポート課題が出たらその日にやりましょう。
逆にめちゃめちゃ好印象です。
仕事を覚えたい、という意思を見せる
根拠:上司が最も新入行員を評価する行動だから
実は上司は、新入行員を評価する時、
営業成績ではなく姿勢を高く評価します。
新入行員が投信を500万売った、というとインパクトがありますが
上司は結構その辺に冷めていることが多く
「運がよかった」「可愛らしいと思ってもらえたから」
と、評価はいまいちだったりまします。
それは新入行員はやはり経験、知識ともに乏しいので、成績をあげたとしてもそれは
偶然や同情のようなものの影響が大きいと思っている人が多いからです。
では何を評価するか。
その子の「やる気」が見えた時です。
ここでは「勉強したい姿勢」と述べました。
例えば
仕事終わりに過去の稟議書を読ませてもらう
資料作りの手伝いをさせてもらう
規定などを持ち帰りさせてもらう
といったことです。これを毎日繰り返すことが重要で
そうすることで上司の目に焼き付き、「がんばってるな」という印象を与えます。
営業成績を上げることより、こっちを地道に繰り返している行員の方が、印象は◎です。
他にも、
毎日テレマを30件やる
訪問件数を20件やる
先輩の訪問活動に同行させてもらう
などの行動も印象が良いです。
以上、10選です。
主に上司へのアピールの面でこれらを紹介しましたが
自分が力をつけて、成績をあげ、支店での立場を確率するために
今やれることは何か、と考えた時
これらのことを自然と行動すると思います。
大変ではありますが、若いうちにやっておくと
どんどん後で楽になります。
頑張ってください。
それでは。