起業・事業の仕方・準備すべきこと

事業を始めたことのない私が偉そうに言える話ではないのですが

銀行員として数多くの企業を拝見させてもらった結果、

業した後、仕事がうまく回っていく企業とそうでない企業の違いが

ある一つのポイントでまったく異なることがわかりましたので

ここでご紹介したいと思います。

「出先」を決める

業界用語なのかはわかりませんが私の銀行ではよく「出先」という言葉を使います。

「出先」とは「売り先」のことです。

つまり、

起業してモノやサービスを売るとするなら、買ってくれる人は決まってるのか?

ということです。

 

数々の創業案件(起業するのでお金を貸して!という相談)を対応してきましたが

ここをしっかり考えている創業者と

全く考えてない創業者ではっきり分かれます。びっくりするくらい。

 

というのも、

起業する方というのは「やりたいこと」が見つかったので

「やりたい!」「作りたい!」「チャレンジしたい!」が先行してて

じゃ、「誰がお客さん」で「何円」で「何人くらいのお客さん」が「何日間」来てくれるのか

この辺を考えてない。

 

いいモノを作れば、買ってくれる人はいるはずだ!

って考えている人が多くて

買ってくれなかったらどうする?その間の給料や生活費は?

という質問に答えられないんですね。

こうなると、思い通りのストーリーにならなかった時、創業者は大慌てすることになるわけです。

起業は「起こす前」からが起業

私の好きなYouTuberを例に紹介しましょう。

筋肉美を披露するジャンルの一つである「フィジーク」(ボディビルのようなものです)

の正式プロに認定された「kanekin」さん。

チャンネル名は「kanekin fitness」。

主にトレーニングや食事方法なんかを中心にストイックな内容の動画を多数アップされてます。

kanekinさんは、動画の初期はひたすらトレーニング動画を掲載し徐々に人気を獲得。

登録者数30万人を超える頃、ついに日本でも数少ないプロとして認定を受けることとなります。

その後、自分でトレーニングジムを開業することとなり

その様子なんかも掲載されているのですが

ジムが開かれるとたちまち会員数は増加。開業当初から多数の利用者がいることが動画でも伺えます。

 

さてkanekinさんのジム開業。これは現時点で成功といえるわけですが

その要因はというと

「開業前から創業者本人が宣伝力を持っていた」ということです。

つまりもともと人気のある人が会社を立ち上げたら、立ち上げた時からいきなり注目してもらえるということ。

 

これは企業時に非常に有力な要素。

というのも起業した後に一番問題となるのが「お客さんがなかなかつかない」こと。

美容師なんかそうですよね。

美容師学校を出て、下積みで店舗で働いて腕は磨いたが

自分で店舗を開いてもお客が来ず、借金が返済できなくて閉店した、なんて話はごまんとあります。

 

腕が良くてもお客さんに知られなければ意味がないってことです。

逆に言えば、腕が悪くても、1万人友達がいる人はそれだけでお客さんを捕まえることができるということ。

 

kanekinさんはまさにこの典型。

筋トレ動画で登録者を増やし、プロになって名声を得たところで開業。

30万人以上が、kanekinさんの開業を知ります。もちろん私も動画で知りました。

あのYoutuberに会えるなら、kanekinさんが開くジムに通えるなら、

とジムに向かう人は少なくないはず。

こうして、特段の宣伝費をかけることなくジムに会員を集めることができるわけですね。

創業手法としてこれほど安全で有効なやり方はありません。

具体的にどう集客するか

それではどうやって顧客を事前に集めるか。

ここは業種や、創業者の資質、コミュニティによってやり方は様々ですが

要は「自分が起業したらお客さんになってくれそうな人」を捕まえておくわけです。

そのような人の増やし方は

 

①圧倒的な数の友人・知人に向けて宣伝するツールを持つ(SNSやブログなど)

②同業種・業界の有力者とつながりを持つ

③従業員として働きながら顔を売っておく

④起業する分野での実績を作る

 

このくらいでしょうか。

圧倒的な数の友人・知人に向けて宣伝するツールを持つ

これは先ほどのYouTuberの話ですね。

SNSやブログなどの発信ツールで、多くの登録者・フォロワーをつけておくことで

宣伝が非常に容易になるということです。

宣伝は、一般的に100人に発信して1人が興味を持つかもたないか、と言われる世界です。

それだけコスパの悪い活動なんですね。

 

起業する時にこの宣伝活動をやるわけですが

ずっとやり続けると宣伝費用だけで倒産してしまいます。

なので、いかに宣伝費をかけずに多くの人の目に届く活動を行えるかが重要なんですね。

その点、SNSは最強です。

お金はかからないし、多数に発信できるし、見てくれる人は皆、自分に興味を持ってくれている人。

人気Youtuberに多額の広告費が入るのはこのためですね。

 

ただしSNS、ブログ等で人気をとるというのは非常に難しいことでもあります。

地道な活動をする人、圧倒的な実績を披露する人、プロの技術で勝負する人、笑いで勝負する人、芸で勝負する人。

この世界で人気を取るには

バズらせるか、誰もやっていないようなジャンルを見つけるかしかないでしょう。

炎上商法なんかが一時期流行ったのも、つまりはバズらせ目的です。

注目してもらえなければ意味がないからですね。

これも時間のかかる可能性のある活動ですので、どんどん発信する必要があります。

同業種・業界の有力者とつながりを持つ

例えばフィットネスでいきましょう。

フィットネスジムのオーナーや、

そこの利用者で実力や経歴の輝かしい人というのは必ずいらっしゃいます。

また、経営者として一流の人も同様です。

 

この人たちとまずは繋がることが大事です。

名前を覚えてもらう、食事にいける仲になる。

こうすることで、自分が起業する時に

利用者の紹介をしてくれたり、その人が利用者になってくれたり、他の利用者に宣伝してくれたりするわけです。

つまり、発信力のある人に、ただで宣伝してもらうことができる。

こうすることでより自分の起業する業界に興味をもった人に限定して効率よく集客できるというわけです。

従業員として働きながら顔を売っておく

美容師の例がわかりやすいでしょう。

私は以前、ある美容室を利用していましたが

その時の担当者は非常に腕がよく、全国規模のコンテストなんかでも入賞するような方でした。

この方は、後にその職場を退職し、自分の美容室を開業しましたが

開業する際に、職場で働いていたときについていたお客さんがほとんどそっちに流れていったんですね。

 

前の職場のオーナーにとっては悲惨な話ですが

集客という目線では非常に有効な手法です。

実際に仕事でお客さんを捕まえてるわけですから、お客さんからしたらその美容師じゃなきゃ困るわけで

その美容師が別のところに行けば、自分もそっちについて行きますよね。

 

この手法の良いところは

働きながら集客活動ができるので、お金がかからない。むしろ給料をもらいながら活動できる。

腕も磨けるし、お客さんのつかみ方も学べる。

美容師がまずは店舗で修行するのはこういうメリットがあるからですね。

起業する分野での実績を作る

これはある意味最も時間のかかる活動ですので

その人の資質や状況によります。

さきほどの美容師の例で言うなら

「コンテストで優勝する」「有名人の担当をしたことがある」「雑誌に載った」など

普通の美容師では経験しないことを経験していること

一流のスキルを持っていること

をアピールできるよう実績を作るということです。

 

すでに持っていれば最高。ですがほとんどの方はそうでないはず。

なので職場で働きながらこの実績作りを目指すことが重要です。

時間のかかることですので、同時進行でコツコツと活動していく必要があるでしょう。

 

実績を持っていると宣伝するときに便利です。

「歌うま選手権で世界一になった私がボイストレーナーやってます!」

と宣伝できれば、興味を持つ人は必ず出てきますよね。

 

なお、公式な実績でなくても良いです。

SNSに投稿すれば多くの人が「おお!」と思うような作品を作ることができることも

非凡な才能であることを証明する実績です。

実績というのは一般の人からすれば「すごい」と思われる成績のこと。

公式でなくても「すごい」と思ってもらえれば良いのです。


以上、企業に重要な考え方について、その具体的な行動も合わせて紹介しました。

これは、自分の起業活動においても活用しようと思っていることです。

SNSで人気を得るということは非常に難しいですが、今後チャレンジもしていくことになると思います。

頑張りましょう。

 

それでは。

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