【神田松之丞】【神田伯山】オススメの講談

今、講談界の熱い風雲児、

神田松之丞(かんだまつのじょう)こと、神田伯山(かんだはくざん)について

今日は語ってみたいと思います。

 

ここではこんなことをお伝えします。

 1 神田松之丞(伯山)とは
 2 神田松之丞(伯山)の見所
 3 オススメの講談
それでは早速行ってみましょう!

神田松之丞(伯山)とは??

神田松之丞、とは今

「講談」の世界で一躍時の人となった、有名な講談師(講釈師)です。

 

説明になってませんね笑

一つずつ解説します。

講談

日本の伝統芸能の一つです。

わかりやすいので言うと「歌舞伎」とか、「能」とか。

どんなことをやるのかと言うと

ステージの上に小さい台(釈台という)が置かれていて

その前に講談師が座る。

講談師は、左手に「扇子」、右手に「張り扇」を持って

観客の前で物語を喋る。

ただこれだけです。

イラストで恐縮ですがこんな感じ。

この通り、釈台(机)の上に、センスが置いてありますね(左手の下のやつ)。

そして張り扇が右手に。

 

おそらく「講談」と聞いたイメージと

このイラストを見た人は、

講談って高齢者が見るものって印象があるんじゃないです?

 

全然違うんですよ。

この後魅力を説明しますが、めちゃめちゃ現代的で、面白い。

 

基本説明に戻ります。

講談で語られる話は、基本的に「史実」(実際にあった話)とされてます。

よく、落語と講談の違いについて説明するとき

ここが説明に使われるんですね。

落語は作り話を、主人公目線で、喋り口調。

講談は史実を、語り手目線で、ナレーション口調。

 

わかりやすく、実際に話してみましょう。

落語の場合

「いや〜〜すげえ雨だなあ。ぼやっとしてたらびしょ濡れになっちまわあ。」

「お〜い!」コンコン(拳でノックする音を表現)

「開けてくれい!俺だ!吉川村の忠吉だあ!誰かいねえのか?」

講談の場合

「時は元禄3年、江戸中期の頃のこと。」

「雷轟々、たらいをひっくり返したかのような大雨の中、大田村という小さな集落の、ある一軒家に訪れる男があったところから、この物語は始まるわけでございます」

「いや、とんだ目にあったものだ。このような大雨に出会うことになろうとは。着替えも持っておらぬし、全く困ったものだ。」

そうしておりましたら3間(距離の単位)ほど先に、小さな古民家がスッと見えてきた。

「おお、このようなところに民家があるとは。ありがたい、ここは一つ、上がらせていただくとしよう」

コンコン(センスで台を叩き、音を出しながら)

「おおい、誰かおらぬか。大雨でどうにも立ち行かぬのだ、どうか、一晩止めては下さらぬか。拙者、吉川村から参った、忠吉と申すものだ」

 

この話は私が勝手に作りましたが

まあこんな雰囲気です笑

一つの場面でも、これほどの表現が異なります。

 

わかりやすいのはナレーションがあること。

そして、どこか「重々しい雰囲気」があること。

雰囲気作りが非常に臨場感があるんです。ここでグッと引き込まれる。

こればっかりは見てもらわないと分からないです。

講釈師

講談を実際に表現する人。Youtube的に言えば、語り手。

講釈師は現在、全国に80人ほどだそうです。めちゃめちゃ少ない。

対して落語は800人ほど。

通りで「講談」なんて聞いたことがないわけです。

講釈師は「講談師」とも言います。意味は同じです。

 

講釈師の武器は

「語り」「扇子と張り扇」

この二つ。

語り

講釈師がプロたる部分がこの「語り」。

何がすごいって、物語を全て、何も見ずに語るんですが

この語りの長さがすごい。

一つの物語は短くても10分。

長いものだとストーリー調になっており「連続物」といいますが

その長さなんと10時間。公演となると5日間かけて喋り切るそうです。すげえ笑

 

10時間、全く噛まずに、すべて暗唱。しかも身振り手振り、演技も入れてです。

これが神業的で、しかも面白いのが神田松之丞(伯山)。

どうでしょう、大分分かっていただけてきたでしょうか。

張り扇・扇子

小道具であるこの二つ。

扇子は落語にもありますが、役割は全く違います。

神田松之丞は、扇子と張り扇を交互に釈台に叩きつけ

「パパン、パパン」という音を出します。

この音を出すタイミングが、講談ならでは。

こんな感じです。

山中で宮本武蔵、眠気でうとうとしておりますと何やら山奥から獣の鳴き声。

パパン!

「ワオーーーーーーーーーーン・・・・」

「遠くで泣き声がしたと思えば、近くの茂みが突如ざわめき始める!」

パパン!!

「何事かと武蔵、あたりを見渡すと、そこには無数の狼!!」

パパン!!

 

とこのような感じ。

話の節目や、急展開を表現するときにこの音が非常に大きな役割を果たします。

松之丞さんもインタビューで「この張り扇がなかったら講談はできないと言ってもいいですね」

と言ってるくらい、重要な効果を持ってると言うことですね。

この使い方も魅力の一つです。

神田松之丞(伯山)

さあ、やっと本人の説明です。

(伯山)と何度も書いています。これは

「神田松之丞」という名前の方が有名であるということと

「神田伯山」と言う名前を最近襲名したことから、こういう書き方をしました。

ここからは「松之丞」でいきたいと思います。

 

神田松之丞さんは

24歳の時に神田松鯉(しょうり)に弟子入り

29歳で「二つ目」に昇進

36歳で「真打」に昇進、6代目「神田伯山」を襲名(ここで名前が伯山になった)

と、簡単にいえば破竹の勢いで昇進街道まっしぐらのエリートです。

真打はいわゆる最終形態ですので、「上がり」です。

真打昇進に際し、先輩9人をごぼう抜きしたそうです。

 

どうすごいかはやっぱり動画を見ていただきたいんですが

実際、自分もTVでたまたま見たことが完全にきっかけで

その時あまりにすごくて一発でファンになり、YouTubeで探しまくり

ブログにも書き始めると言う・・

まあぜひ見てください。

私がハマったきっかけになったのは

ナイナイがプレゼンターの「ENGEIグランドスラム」

色んな芸人が出場する中、一人落語風の男が出てきて(これが神田松之丞)、

あっという間に観客と茶の間をその臨場感に引き込んだ「寛永・宮本武蔵伝」。

Youtubeにありましたが、公式ではないのでここには貼りませんが検索してみてください。

神田松之丞の見所

何といっても「迫力」

神田松之丞の語りには色んなパターンがあります。

「お笑い系」「シリアス系」「怪談系」「激アツ系」。

まあこれは私が勝手に決めただけですが・・・

 

中でも「激アツ系」がオススメ。

それこそ「寛永・宮本武蔵伝」で、宮本武蔵が鎖鎌の使い手と闘う「山田真龍軒の一戦」。

ただ喋るだけなんですがその迫力たるや。

張り扇も存分に使用され、パパン!の音だけでなく「刀」も表現します。

約10分の講談ですが、終わる頃には松之丞さんの額は汗だくです。

それだけ迫真、気合と臨場感がこっちにも伝わってきます。

 

その他には「怪談」がオススメ。

怪談は終始真剣な話が続くんですが、これもまた良いんですね。

低い声で語り手となり、登場する人物の声色も器用に表現。

人を殺すシーンなんかも出てきますが

殺す側、殺される側の鬼気迫る掛け合いは見ものです。

 

そして何といっても「お笑い系」。

神田松之丞さんの良さは、その語りの面白さにあります。

「枕」と呼ばれるいわゆる「まわし」。

本題に入る前に観客をいじったり、ちょっと余談で空気をあっためたりするんですが

これがめちゃめちゃ上手。

YouTubeでオススメするなら落語家の林家三平とリレー講談をした

「源平盛衰記」が最高。

林家三平がまた下手くそなので、余計に松之丞さんの面白さが引き立ってます。

 

松之丞さんは自身でTBSラジオ「問わず語りの松之丞(現在は伯山)」という番組枠も持っていて

毒舌中心で一人がたりで茶の間を笑わせてます。

やはりトーク技術自体がそもそも高いんでしょうね。

この辺が「講談」という古臭い伝統芸能を現代に受け入れさせた力じゃないかなと思います。

 

そして技術の高さ。

これはプロたるもの当然といえば当然なのかも知れませんが

長い物語を全く噛まず、迫真の演技とユーモアを混ぜて喋ることができる。

今はYoutuberデビューして自分のチャンネルを持ってらっしゃいますが

そこで19話10時間、公演期間5日間の長編「畔倉重四郎」を毎日投稿してます。

ぜひみてください。

こんな長い話、どうやって覚えてるの?????

ってまじでびっくりします。

チャンネルは「伯山ティーヴィー」

オススメの講談

最後になりましたが、ここではネットで見ることのできる講談を中心にご紹介。

「寛永・宮本武蔵伝/山田真龍軒の一戦」

剣豪、宮本武蔵が、ある店でトラブルになった相手「山田真龍軒」と一戦交えることになる短い話。Youtubeにあり、時間は10分弱。

「寛永・宮本武蔵伝/狼退治」

同じく宮本武蔵が、山奥で狼に出会いピンチに陥る話。コメディあり。

YouTubeで約5分ほど。

「鼓が滝」

歌詠の「西行」が詩を読むために訪れたある「滝」で不思議な一家と出会う話。コメディあり。Youtubeで約15分ほど。

谷風の情け相撲

江戸の横綱「谷風」が、弱い力士「佐野山」を勝たせるために、えこひいきする話。コメディあり、YouTubeで10分ほど。

源平盛衰記

弓の名人「那須与一」が、ある一興で神業を披露する物語。Youtubeで10分ほど。

赤穂義士名名伝

シリーズが多いので細かく説明しませんが、赤穂義士とその周りの人物たちとの関わりを描いた物語。Youtubeで20分〜30分ほど。

乳房榎

怪談もの。ある美しい女を手に入れるため、その夫を殺そうとする男の物語。Youtubeで20分ほど。

畦倉重四郎

連続物。稀代の殺人魔である畔倉重四郎が、なぜ悪に染まったかを描いた超長編。Youtubeで現在連続公開中。全19話、1話約25分。

公式なので貼っておきます。

 

以上、神田松之丞さんの魅力を私ゲイリーが語ってみました。

そうそう、神田松之丞さんにハマって

他の講談師の作品もみてみたんですが、全然面白くなかった笑

 

多分私は、講談が好きなんじゃなくて

神田松之丞さんが好きなんだと思う笑

 

初めての方はぜひ、神田松之丞(伯山)で見てみてください。

それでは。

タイトルとURLをコピーしました